
最近、どんな本読んだの?

角川ビーンズ大賞・奨励賞を受賞した方の作品よ。
ルクトニア領繚乱記 猫かぶり殿下は護衛の少女を溺愛中
著者:さくら 青嵐 イラスト:Laruha
第17回角川ビーンズ大賞・奨励賞を受賞した、さくら青嵐さんの作品!
アルフレッドは頭脳明晰、容姿端麗、真面目で人気な次期領主…というのは表向き。実は女装して屋敷を抜け出すような人物。その護衛がアルフレッドの幼なじみで女性騎士のオリビア。夜の街で怪しい奇術師に出会い、2人は一緒に調べることになったが、護衛対象に守られ己の力不足に気づいたオリビアは…というストーリーです。
煽りとして「おれの側から離れるなんて赦さない』女装殿下の独占欲が大暴走⁉」と書かれています。
こちらの作品は、人物の設定面白そうだったので購入しました。
ヒーローのアルフレッドはアリーと名乗る女性に、そしてヒロインのオリビアはオリバーと名乗る男性へとそれぞれ女装・男装しています。
また第17回角川ビーンズ大賞・奨励賞を受賞した作品という情報から、中身がしっかり練られた作品だと予想したということもあります。
実際に読んでみると、予想通りとても小説らしい小説でした。2人の精神的な成長が描かれています。
ストーリーがメインにあって現代的な言葉が多くないので、読み進めるうちにどんどんストーリーの中に入っていけます。
女性向けライトノベルでは剣などでの戦闘シーンや化学的な知識を詳しく描写されることは少ないですが、その部分を細かく書いているという特徴があります。
タイトルに「溺愛」という文字が入っていますが、そこまで溺愛でもないかなという印象があります。第2巻が出版されたら、そこからが溺愛が始まるのだろうと予想します。(最近読んだライトノベルに溺愛なものが多かったので、個人的に溺愛慣れしてしまったのかもしれません。)
全体としてはヒロインとヒーローの精神的な成長を描いた作品なので、読んでいて安定感を感じます。
エピソードゼロもおすすめ!
カクヨムにこの作品のエピソードゼロが掲載されています。おもしろいのでぜひ読んでみてください。登場人物の、本編では描かれていなかった一面が描かれています。(エピソードゼロの方が溺愛ぶりが出ている感じがします)
実は、角川ビーンズ大賞で奨励賞を受賞した作品は、書籍化された作品のヒーローの母親が、主人公です。書籍化されたのは書き下ろし作品です。受賞作品はカクヨムに掲載されています。
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この作品も好きかも?
男装と女装の両方が描かれている作品でおすすめなラノベは、「小説家になろう」に掲載されています。
「竜騎士のお気に入り」で大人気の織川あさぎさんの作品「王国の花」です。
王女サーラは、知より武に優れ、女性らしいことはすべて苦手、男装して王子の影武者も務める人物。ドレスも嫌いで男性に触れることもできない。結婚という王女としての務めが果たせないだろうと、重病説を流して結婚を見送ったつもりだったのに、突然隣国の王子で黒騎士のクラウスが求婚にやってきた!!…というストーリーです。
小説家になろうには、続編も短編集も掲載されています。とてもおもしろいので、ぜひ読んでみてください。