
最近、どんな本読んだの?

「十三歳の誕生日、皇后になりました。」の第2巻よ。
十三歳の誕生日、皇后になりました。2
著者:石田リンネ イラスト:Izumi
ビーズログ文庫
「ちょうどいいから」という理由で皇后になった十三歳の主人公「莉杏」。皇帝「暁月」との関係はかくれんぼをして遊ぶほどの「おままごと」状態だが、後宮で起きた問題や新しいお妃候補との対決をして、皇后として成長していく。
…というストーリー。
ラノベ作家さんの中でも飛びぬけた文章力と表現力を持つ「石田リンネ」さんは「やはり違う!」と思わせてくれる作品でした。
第2巻の最大の特長は、莉杏と暁月の魅力が倍増していることです。莉杏は十三歳という幼さを残した可愛らしさが増し、皇后としてカッコよくもなっています。第1巻では「よく考えていて、臨機応変に対応できる女の子」という印象でしたが、第2巻では「かわいい!!」と感じるところが増えました。暁月はさらに優しくカッコよくなっています。暁月の心情の表現が素晴らしくて、「ひねくれていると見せかけたいけれど、出てしまう素直さ」が素敵です。
まだ読んでいない方は、試し読みをしてみてください。冒頭の2人のシーンに、優しく柔らかい2人の関係と、この作品の魅力が溢れています。
それから、石田リンネさんの作品では「普通」になってしまっていることなのですが、ヒロインとヒーロー以外の登場人物の個性も、それぞれしっかり描かれています。これはおもしろい作品の共通点で、とても重要なところだと感じています。
第1巻では莉杏と暁月を取り巻く人々と中華風な世界観を解説する描写も多くありましたが、第2巻では次々と起こる事件を推理して解決していく「名探偵コナン」のような印象が強くなりました。テンポよくストーリーが進むので、最後まで止まらずに読めると思います。
莉杏と暁月が非常に魅力的なので、莉杏が成長して2人の関係に変化が訪れるストーリーを読んでみたいと強く思いました。ただ、タイトルで「十三歳の皇后」と明記してしているので、この先どのくらい莉杏が年齢的に成長するのか不透明だと思います。
第1巻は読み切りを想定して出版されたのでこのタイトルで内容と合っていたのですが、第2巻では莉杏の成長に焦点が当たっています。このままシリーズ化されると、莉杏の成長を十三歳で止めるか、タイトル変更をして続編として出版する必要があるかもしれません。(現在のライトノベルでは、第2巻以降の内容とタイトルが合っていないことが多々あるので特に問題にならないかもしれませんが…。)
莉杏と暁月が魅力的過ぎて、私が気にすべきことではないことまで考えてしまいました。もう数年成長した莉杏の姿と2人の関係を想像させる第2巻でした。
石田リンネさんの作品「茉莉花官吏伝」のストーリーを、赤奏国側の視点で描かれていたところも、とても面白かったです。「十三歳の誕生日、皇后になりました。」から読み始めても、「茉莉花官吏伝」から読み始めても楽しめると思いますが、ぜひ両方を読んで頂きたい作品です。
月刊プリンセスでのコミカライズも決定し、これからも目が離せない作品です!
今回は特典をもらえる書店で紙の本を購入したので、イラストカードをいただきました。
「#十三歳の誕生日、皇后になりました 2」の購入でイラストカードをいただきました😄
まさに綺麗なIzumiさんのイラスト💕#十三歳の皇后 #イラスト #ラノベ #Izumi さん #石田リンネ さん #ビーズログ文庫 pic.twitter.com/kLsYLS81cW— ちよはな@ラノベ情報ブロガー (@chiyo87hana) August 10, 2019
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茉莉花官吏伝については「おすすめライトノベル」茉莉花官吏伝のページで詳しくご紹介しています。
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「十三歳の誕生日、皇后になりました。」のコミカライズ掲載が決定している「月刊プリンセス」で、「茉莉花官吏伝」は一足早く連載開始されました。第1巻が発売中です。
著者:石田リンネ / 高瀬わか
秋田書店